カウント2.99!!

カウント3が聞こえるその日まで

サヨナラは別れの言葉じゃなくて

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新日本プロレスは「ビッグマイク」の異名でおなじみ、マイケル・エルガンが3月31日付で退団したことを発表した。マジか。春にしては冷たい風が頬を切った。

マイケル・エルガンというレスラー

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16歳でプロデビューアメリカやカナダのインディ団体、ならびにROHをあくまで主戦場にして来た。

2010年、当時のSMASH所属として、カナダに武者修行していたKUSHIDA。そこで出会ったエルガンについてこう語っていた。

「日本のプロレスをリスペクトしてるのは、すぐ伝わりましたね。やる技が日本の技ばかりでしたから(笑)」。

 

エルガン自身、幼少から日本のプロレスに注目していた。当時の海外のプロレス雑誌では、日本のプロレスのビデオが通販出来るようになっており、注文した中で、三沢、川田、小橋、田上の“四天王プロレス”に心底ハマったという。

 

そして、そのスピリッツは自らの試合にも反映された。ド派手な投げ技や、エプロン際を利用した断崖絶壁の攻め、ハードなファイトスタイルはまさに「1人四天王プロレス」。虚しくも、同じ展開を望む相手がいないので周囲からは浮いた存在になってしまっていたというエルガン。だが彼はその先を見つめていた。「いつか日本で試合がしたい。それが僕の夢」寡黙な彼が語る大きな夢だった。

 夢の舞台へ

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2015年7月、新日本プロレス主催のリーグ戦、G1 CLIMAXに初出場、7月20日より同団体に初参戦を果たす。結果だけ言うとでは4勝5敗という成績で予選落ちに終わったものの、そのインパクトはまさに記録よりも観客の記憶に深く刻み込まれた。

 

驚異的なパワー、激しい攻め、意外な俊敏性。最初は「誰だこの外国人?」と訝しく思っていたファンの厳しい目線をエルガンボムで粉砕した。

その後も各地でそのポテンシャルを最大限に発揮しその豪腕でファンの心を掴んだ。同年11月、新日本が主催するタッグリーグ戦、WORLD TAG LEAGUEに棚橋弘至とのタッグで出場したころにはすっかり馴染みの顔になっていた。

 

2016年3月3日、NEW JAPAN CUP開幕戦の試合開始前、エルガンが新日本と2年契約を交わし同団体に入団したことをサプライズ発表した。その年のNJCでは、天山広吉を相手に新日本所属デビュー戦を行いパワーで封殺。二回戦ではバッドラック・ファレと怪獣バトルさながらなの試合を披露した。12日の準決勝戦後藤洋央紀に敗れるものの、初出場準優勝という素晴らしい戦績であった。

 

4月10日、INVASION ATTACK 2016にて棚橋、ヨシタツとのトリオでNEVER無差別級6人タッグ王座を保持するジ・エリート(ケニー・オメガ & マット・ジャクソン & ニック・ジャクソン)に挑戦。最後はニックからピンフォール勝ちを収め、第5代王者組に戴冠する。試合後、リング上でオメガと一触即発の睨み合いとなり、ここからオメガの保持するIWGPインターコンチネンタル王座を賭けた因縁が勃発。後に外国人レスラー名勝負数え歌といってもいいライバル関係が生まれる。

 

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その後、IC王座の次期挑戦者、棚橋の代わりとしてエルガンが代理挑戦者として名乗りを上げ、再びオメガと対戦することが決定し、6月19日、DOMINION 6.19 in OSAKA-JO HALLのセミファイナルで新日本プロレス史上初のラダー・マッチ形式のタイトルマッチが行われた。

 

ハードコアな攻防が続く中、エルガンは試合終盤で乱入してきたヤング・バックスの手により手錠でコーナーに拘束され窮地に陥るが力づくで手錠をブチ切り、ラダーに登っていたオメガごとラダーを押し倒して場外へと排除。すぐさまラダーを立て直し、天井にぶら下がったIC王座を奪取し第14代王者に戴冠するというまさに漫画の世界のようなプロレスを展開。その日一番の歓声を手にする。

 

ワタシ的な意見だが、やはりエルガンと最も手があったのはケニー・オメガだったと思う。2017年の週刊プロレスG1クライマックス特集で、ケニーは今大会のベストバウトに敗北したにもかかわらずエルガン戦をチョイスしていた。激しいだけがプロレスと思うわけではないが、両者の試合は格闘ゲームを見ているようで、互いが互いの全力を引き出しているように見えたし、何よりスリル満点過ぎて汗が止まらなかった。

 エルガンに「夢」を見る

2019年の新日本プロレスはサヨナラが少し多すぎるように思う。

しかし、古い歌の一節を借りるのならば、

「さよならは別れの言葉じゃなくて 再び逢うまでの遠い約束」であるという。

エルガンはまだ32歳。現役バリバリのレスラーだ。彼ほどのポテンシャルならばどこへ行ってもそのぶっとい体でリングに興奮の渦を巻き起こすに違いない。

 

歌の続きはこうだ。

「夢のいた場所に 未練残しても 心寒いだけさ」

新日本プロレスで夢を掴んだエルガン。彼の試合に夢を見たファンが、レスラーになりたいと心躍らせた少年たちがどれだけいただろうか。ビッグマイクの活躍を夢みて、彼へのエールとさせていただきたい。

 

マイケル・エルガン選手。新日本プロレスでのご活躍誠にありがとうございました。

今後のご活躍を期待しています。